人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


狩猟師 ギィ

― 使用人控室 ―

[――向かうは使用人控室だった。
ディークに殴り掛かられた、という話も耳にしていたし
リエヴル風に言えば、"気掛かりで追い掛けた"とも言えるが。

まあつまりは――単なる興味に過ぎず。
尤も今現在、ベリアンの脳裏に自分の貌が浮かんでいたとは
知る由もないが、不思議と男の脳裏には一丁の銃が浮かんでいた。

銃把に王家の刻印の入った自動拳銃と幾つかの弾倉。

非公式で下町の市場に行くのだと聞かぬ王子の伴で
他の古参Esや近衛兵と共に流民になりすまして顔を隠し、
出向いた数年ぶりの街の空の下で。
死んだ目をした子供に渡したのは気紛れだったのか、或いは。

否、それ自体が男の妄想だったかもしれないけれど。]

(449) 2013/09/30(Mon) 14:18:47

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