― 滑走路 ―[>>440飛行機、パイロット。そう聞こえたがどちらにも覚えが無い。視線はどちらかというとユーリエの方を向いていたように見えたので、彼女に関わる言葉なのだろうと思い至る事は出来たが。礼のゆっくりとした仕草と長い名は、セルベジアの貴族を彷彿とさせた。]フェリクス殿、か。[怪しい者ではない――との声は、先ほどのユーリエとの遭遇を思い出して、一瞬緩みかけた意識を正した。]