俺が魔王だからだ。
[ 口元を歪めて、テオドールは適当な返事をした。
このドラゴンが軍に加われば、どれほど楽になるだろうかと思うが、
自分にはそれが出来ない事を知っている。
このドラゴンの心を開かせた者を、テオドールは一人しか知らない。 ]
……だが、そんなことはどうでもいいはずだ。
お前は、自分のコレクションに「メレオニスの宝珠」を加えたいと思っているだろう。
その場所を教えてやる。
半島より北のゼレントという町の、城の宝物庫にある。
[ 真紅のドラゴンは、不審の眼を向けた。 ]
『 それを教えることで、その方に何の得がある? 』