ならず者 ディーター

─ 村内・レジーナの宿・食堂 ─

［また？という声>>443が聞こえて、チラリと顔を上げると、オットーが立っていることを確認する。レジーナにパンを持ってきたところだろうか。
それを確認すると、またディーターの頭は木製のテーブルに吸い込まれていった。

『ハティ』のパンは美味い。あそこの焼きたてのバケットにデカいチーズをのせて食うのは本当に美味しい。少しずつチーズが溶けていって、食べ始めと食べ終わりでチーズの具合が違う。それから、酒にもよく合う。これは最も大事な部分だ。

ただ、あのガチガチに固まった表情筋はどうにかならないだろうか。
声音的に、此方に呆れているのだろうか。いやはや、それなら慣れたもんだ。
苦笑い──はわからなかったけれど、少なくともうんざりしているわけではないだろう。
現に、わざわざコップに水を汲んで、「ちゃんと飲んだ方が良い」と渡してくれるのだ。

──ただ──。］