― サクソー川/橋の北西付近 ―
[ 一対一の戦いにおいて、初撃はその後の流れを決める大きな一撃である、と、彼は習い、その通りであるとの経験も得ていた。
だから、教本通りとも言える万全の構えから放った一閃が、狙い通り敵手のバックラーを跳ね上げたのは当然とも言える、が ]
(さすがに...!)
[ 並の兵なら剣の威力に怯み、防御を崩された事に焦って、腰が引けるか、半端な反撃を試みるものだが、エドルファスは、即座に身を捻り、素早く盾を構え直してから、着実にこちらの肩を狙ってくる ]
良い、判断だ、が...!
[ エドルファスの剣先は狙い違わず肩を突くが、同時に半身を開いて、その威力を殺そうとする動きが功を奏して、剣は鎧の表面を軽く窪ませるだけで終わる ]
鎧の弱点は、そこじゃない!修練で習わなかったか?
[ まるで、教え諭すような口調で、声をあげながら、そのまま左腕の盾を大きく振って、踏み込んで来たエドルファスの頭を横殴りにせんとする。
彼がそれを避ければ、続けざま、右手の剣が先のお返しとばかりに、喉元目がけて突き出される事になる// ]