[故にリエヴルへも「だそうだ、止しておけ」と制止し、……
しようと喉まで出掛かったが
リエヴルの味覚を知ってみたいという好奇が勝り。
珍しく凍りついたリエヴルの表情が
少なげな言葉の全てを補則してくれる。]
……、……うむ。
お前も、無理して飲まなくていいんだぞ。
[リエヴルの手からカップとソーサーを受け取り
新しく淹れさせた紅茶を差し出し。
リエヴルの憂いの眼差しに気づいたのは
それからややあっての事だった。
愚かな男は、見透かされている事実にもその小さな願いにも
未だ、気づけていなかったけれど]
どうした、リエヴル。
口直しでも居るか…?
[ジャムとクリームを添えたスコーンの皿を彼の傍へ]