……まあ、なんつーかさ。
真面目な話、俺とルアルは単独行とか撹乱とか、そーゆーのには向いてるけど。
対多攻撃って点では、キアラとトルメンタの方が頼りになるから、状態整えといてほしいってのはあるんだよ。
だから、こっちは気にすんな、な?
[にぱー、と笑いながら口にするのは真面目な戦力分析を交えたもの。
実際、影竜は他の竜に比べると、戦闘力という点でやや劣る。
その分、隠行などの特殊な部分に秀でてはいるが、気性の穏やかなものも多く、相方である騎竜師との連携が取れなければ戦場に出るのはやや心許ない、とも言われていた。
反面、完璧に息を合わせた影竜と騎竜師は一騎当千を地で行く……とは、今はここにいない師匠からの受け売りだが。
少年がその境地に至るには、まだまだ色々と足りていないのは言うまでもなく]
……ってーわけで、俺は竜舎で待機してるから、お前らはちゃんと休めよー?
[無駄にあかるい口調で言った後、足早にその場を離れる。
更なる突っ込みから逃げた、というのは、きっと、誰の目にも明らかだった。*]