[クラスメイトを呪った因果応報の呪詛返しか、
はたまた、兄妹仲の睦まじさを六条御息所に祟れたか。
風に眩んだ眼を次に開けた折。
視界に収めたのは境界を曖昧にして接着する赤毛であった。
螺旋を描くように複雑に絡まりあい、
手先の器用さでは決して解けぬ歪な縺れ。
糸のように強固に結ばれたそれは、
切断も視野に入れねばならぬ、人智を超えた縁結び。
髪を引かれる感覚に、疑問の色を乗せ首を捻る。
クラスメイトを、勢いに任せたライブ感で呪いもするが、
己は陰陽道やらのオカルトの類に全く明るくない。
そんな時、助言をくれたのは、何処の寺生まれか知らないが、
Tさんと自ら名乗る仏僧だった。>>#1
やはり寺生まれは凄いんだな。と、現実逃避めいて額を押さえ、
兄はお約束の一言を口内で律儀にも唱えたのだった。**]