[カレルが軍属してから、時折顔をあわせる機会もあっただろう。あまり長く話す事も、旧友らのように接する事も無かったが。時折自らの財を投げ打って、公国兵を捕虜として扱う姿もあった。それを甘い、とは口に出来ず。殲滅戦においての命令違反も、黙認していた。心根はきっと、学び屋に居たときと変わってはいなかった。その髪色のように明るかった青年士官。]―――…ご苦労だった。お前の任務はこれで終わりだ。あとは祖国でゆっくりしていてくれ。[そう呟いて、目礼すると部屋を出た。]