― 追憶/傭兵部隊にて ―
[傭兵部隊に配属されてしばらくしてのこと。
哨戒時に遭遇した敵艦との戦闘にて、退くと判断した際に相手が追い縋ってきた時があった。
上手く振り回せば引き離せる可能性があったのだが、それを確実にするためにヴィクトリアは艦長であったタクマに一案を投げかける]
艦長ー、アンタ、確かライフル得意だったよねぇ?
艦寄せっから、あっちの艦長か操舵士撃てないかい?
[にこりと笑んでの問いかけは、彼に何を思わせるか。
ライフルで撃つとなれば、相応に自艦を敵艦へと接近させなければならない。
互いに動く中での接近は衝突の可能性も秘めていた。
それをやってのけると言い放ったのである]