[ヨアヒムが振り向く前に、左手だけを赤毛の狼の腕に変化させた。]そなたのような目ざとい人間は目障りである。[口早に告げて、素早く一気に爪で左胸を貫く。腕を引き抜いた途端、鮮血が辺りに散った。まるで赤い花が一瞬で咲き、はかなく散ってしまったかのように。舌を出して指についたヨアヒムの赤を舐め取りつつ、静かに呟いた。]