もしも…――ああ、もしもですよ? 小生に何かあったら、その時は。[ふと言葉を切り、続きの言葉を探して、] …ルート…いや、扶翼官殿に。 これを――お渡し願えますか。[一拍置いた、直後。軽く金属の音を立ててドックタグを上官へ手渡す。記された名前は通称とは異なる本名であるけれど、さて、上官は受け取ってくれたものだったやら。][扶翼官殿が要らないようなら海にでも捨ててください。渡せればそう付け足して、私は任に着くべく踵を返したのでした。]