……私の弟も、騎竜師でな。
受けた号は、“旋光”。病弱でなければ、今君と対峙していたのも、弟だったのかもしれない。
…………まあ。
戦場には、“もしも”など不要だろうがな。
[皮肉にも、対極の号を持つ弟の竜。
武器を握る姿に、己を鼓舞するよう笑みを浮かべ、剣を抜く……が。握るのは、レイピアと短剣。その音にすら、愛竜は低く戸惑いを帯びた音で空気を震わせる。
……遠く見えた瞳は、光の加減か、青みを帯びたようにも見えて。
そういえば、“レナーテ”の瞳の色までは知らない。そんな場違いな事を、思い*]