[>>423やがて辿り着いた店舗は、茶寮都路里と目と鼻の先だった。黒髪に花飾りを付けたおためちゃんのイラストは素朴で可愛らしい。お茶屋さんをしているのは二階らしい。階段を上がったところで視界に広がる、白い壁にかかる掛け軸大のイラストや、座面の赤い椅子が目を引く。けれど大人しめの色目のお蔭で落ち着く空間になっていた。2人がけの席に座るのは何度目だろう。旅行に来てからは殆どずっとそうだったから、もう定位置のような感覚になっていた。お品書きを二人で眺め、注文する品を吟味する。]