―嵐の砂浜―[温かい湯気の次は、冷たく激しい嵐だった。銀鎧に雨粒がぶつかっては滑り落ちる。たたた、と金属が飛沫をあげる音が高低を奏でた。此処に来たのは、何処か、懐かしい匂いを感じたからだ。理由は分からない。だから、探しにきた]………、ちっ。[琥珀に迷い込んだ雨を拭い、眼差しを細める。右前方に岩場がある。雨避けにはもってこいだ。だから、人が居るならばおそらく――…]