人狼物語−薔薇の下国

497 堕天の服従試験


邪眼の怪物 クレメンス

[男は彼の厭う邪で出来ていた。
 
 泥が触れた場所から彼の身を夜の気配が侵食する。
 前戯とも言えぬ児戯であるが、幼心を有する彼には丁度良い。
 
 さて、天の調べを謳う彼の唇は、斯様に濡れていたか。
 閃く舌は婀娜を持つ紅であったか。
 彼の神聖が警鐘を鳴らせども、変化はネロリの香りを甘くする。
 
 それが猛進であれば、彼が持つ光も本能のまま強く抗っただろう。
 だが、男が教えた違和は、陽が落ちる速度よりも緩く。
 洛陽に歯止めを掛けるなど、其れこそ神にすら難なること。>>339

 ――――……、

[無垢に出来ているのに、彼は悪事以外に明晰だ。
 楽し気に開いた腕が、小さく揺れ、五指を折る。
 地の底へ供物を捧げる引力が微かに増して。>>340

(439) 2018/03/20(Tue) 21:39:36

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