[ それは暴力だった。
彼の忌み嫌う暴力であった。
彼が知的な力と考えていた言葉を、暴力として用いていた。 ]
[ Wer meines Speeres Spitze fürchtet, ]
あげくに『ラグナログ』だなどという
[ durchschreite das Feuer nie! ]
そうだ!!!!!
だからあのカシムという男も、アースガルドというだけで死んで当ぜ…………
[ 最後の言葉は言い切られることなく、虚無へと消えたか………
全身全霊で言葉を振り絞っていた彼の体は、あっけないほど一瞬でその力を失い、ぱたりとその場に倒れ伏すと、そのまま二度と起き上がることはなかった…………。