― 回想・卒業の後 ―
[手紙の内容は簡素な物だった『決着をつけよう。』そして場所。]
…逃げずに来たな、トール。
[この時初めてトールのロッカーに手紙を入れる、などという古典的な方法を使って(使い方次第で傍から見たら意図を間違われる方法だが、この時は頭になかった)トールを呼び出したのは、学校から少しはなれた川のほとりだった。
決着ではあるが殺し合いではないので、
手にしていたのは二振りの木刀だった。
その一つをトールへと投げて渡す。]
ルールは無用…と言いたい所だが、顔は避けるぞ。
折角卒業したってのに、
顔に傷作って本国に戻るのはお前も本意じゃねぇだろう。
[そう一つだけ取り決めをして。すぅと息を吸い込んだ。]