― シュビト中央広場 ―
……プルウィア、離れるな!
[弓弦の音にそれた意識を目の前に引き戻し、肩に捕まる真白に短く告げる。
手にしているのは、突きに特化した形の短剣。
両の手に一本ずつそれを携えた姿は、装いも相まって他者の目を引くか]
…………。
[呼吸を整える。
周囲の音は、少しだけ、遠い。
こんな形でこんな場所に立つなんて、初めてここに来た時には思いもしなかったな……なんて感傷めいた想いは、周囲の熱気と喧騒に飲まれて消える]
ここで、止まったら。
先なんて、見れるはずない……。
[そう、決意を固めるのと、新たな号>>429が響くはほぼ同時。
それに弾かれるように走り出した]