――あ、そうそう。
ちょっと通信長に個人的な話があるので、曹長、少し離れてくれるか?
[本当にブルーム曹長がそこにいるのかさえも、これでは、怪しいけれど。
もし、その場にあの人がいるのなら、音くらいは届いているはずだ。
異常に気付いたということだけでも、伝えないと]
――……あー、そのですね。こんなときになんですが。
昨晩の話ですが……いまのあなたのお気持ちはよく判りました。
自分もあなたのことは、有体にいえば好ましく思っとります。
だから、その、どうも大変なときですが、充分に気をつけてと伝えたくて、キャシー。
……呼びましたからね?
これで、奢りの件は宜しくお願いしますよ。約束は守ってくださいね!
[自分が、こんなにさらっと呼べるわけがない。だから、あの人になら、必要な部分は伝わるだろう。
いまの気持ちが判った、というそこだけが大事なところだ]