旅人 ニコラス

[言いかけられた言葉を聞き逃さず、わざと星空を仰いだ。]

他に霊能者候補が出てくるかどうかは分かりません。出てきたら、出てきたときに考えればいい。僕は結構大雑把なんですよ、これでも。

でももし僕の予感が当たっていて、あなたが不安を覚えているなら、どばーってぶちまければいいですよ。どうせここにいるのは、僕と星たちだけだ。他には誰も聞いてません。
”王様の耳はロバの耳―！”と叫んだ人みたいに、さあどうぞ。

[冗談めいた口調で告げると、笑顔でカタリナを見て両腕を広げる。]

スカーフだって返す必要はありません。それ、とても良くおにあいですから。*