18年も経てば変わるさ。
[>>429 大きいと思っていた『兄』は、
今では、簡単に支えられるほどになってしまった。
そのことに驚きを覚えつつ、小さく笑う。]
ニコラス兄さんだって………いや、あまり変わらないか。
俺よりも若く見える。
[右目が、ニコラスを見る。
記憶の中の彼よりは成長しているものの、まだ若々しく見える。
自分よりも年上のはずなのに、だ。]
ああ ……爪に、やられた。
[かつての男ならば、避けられる程のものだった。
けれどその頃には戦地を離れ――…、
数ヶ月平和な日々を過ごしてきて、少し鈍っていたのと。
怪我を負って思うように動かなくなっていた足が、
攻撃を避ける事を許さなかった。]