[けれどその表情は、次の話題に、すっと真顔に戻る。]
戦場で――…>>386
ああ。
ガートルードさんも、
ああいう場所に行くことも、あるんだよな。
[彼女“も”と言いながら――彼自身の経歴には、戦場に赴いたという記載はない。
すべて、あの船に積み込まれる以前のことだ。
彼女の記憶にあるものも知らず、察することは出来ずとも。
その物言いの奥に、どこか、此方の心臓がざわめくような何かが感じられる気がして、複雑な顔で首をかしげる。
生き場所を求めるのも、分からなくもない。
“個人的な我儘”も、分からなくもない――… >>385]