結局彼女は家を捨てて逃げ切った。
今は…楽しくやっているそうだ。
[時折届く手紙の内容を思い出し、その向こうに居る幼馴染に思い馳せるように一度遠くを見てから、ミリアムへと視線を戻すと。]
私にできる事などたかが知れているが…。
ミリアム少尉が理不尽から逃れたいと思うなら、手を貸そう。
[彼女の家の事情など彼女から語られた部分しか知らず、無責任な台詞と取られたかもしれない。
実際口にした通り自分にできる事などほんの僅かで。彼女との関係も深い訳ではなく、あるいはお決まりの上官の慰めの台詞と取られて仕方ないし実際そうだろうが。
それでも、幼馴染と同じような目に合いかけていたミリアムへかけた言葉に、嘘だけは混ぜなかった。]