―図書館前― ……寒いな。[ヨアヒムの絵が完成する頃。いつの間にか灰白い雲に覆われた空を見上げ、すっかり冷えてしまった二の腕を擦る。] 天気が変わりそうだ。 こう急だと、荒れるかもしれないね。 ヨアヒムも早く宿に帰ったほうがいいよ。 空から落ちてくる雪で埋もれないうちに。[最後の一言は冗談だと分かる口調で付け加え。一旦、家に帰るからと、凍らぬよう体温で温めておいた瓶を抱えなおし、その場を後にした。]