人狼物語−薔薇の下国

312 ルー・ガルー戦記 7 〜攘夷/開国篇


山岳の民 ヴェルザンディ

― 太古の森 ―

[振り切った者たちが後を追ってくる事は知らぬまま。
道を駆け、森へと近づくにつれて感じるのは静謐の空気。
緑の内へと駆けこんだなら、より一層強く感じるそれは、どこか馴染んだものに似ているような気がして。
それに僅かに気を緩めた──のは、束の間の事]

 ……っ!

[微かに届く、大気の震える音。
馴染んだその音に、反射的に手綱を引いて馬を止めた。
その眼前に、数本の矢が突き刺さる]

 『ルディ、これ……!』

 わかってる。

[矢羽になされた意匠は、自分たちも良く見知ったもの。
同じ伝統を守り、受け継ぐ者の手による品なのは、一目で知れた]

(433) 2015/03/15(Sun) 22:29:29

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