負傷兵 シモン

［やがて視線は神父を捉え］

　ねえ神父さん。
　死んでしまえばみな平等だ。《Et vive la mort et l'égalité》
　皆死んでしまえば、一番幸せかもしれない。
　それでも貴方は、生きていたいと思うかい？
　屍を越えたその先に、痛みを抱えて生きていく事を選ぶかい？


［果たして神父の答えはいかなるものであったか。］


　――なんて、ね。
　すまない、色々話しすぎた。

　懺悔室って、こんな感じなのかな？

［邪魔したな、と部屋を離れようと扉に手をかけ、］


　そう言えば、ゲルトの遺体はまだ教会にあるかい？
　夜風に当たるついでにお参りでもしようと思ってね。

［安置場所を教えてもらったなら、ありがとうと礼を言って部屋を出た。

　その後自室に戻り、一心不乱に手紙を書き付けたなら、
　簡単な荷物を持って宿を出た。

　道中人に会ったなら、「教会に行ってくる」と伝えて……*］