― 黄砂の村 ―[一番最初に出会ったのは、ハンスだった。滑るように空を駆けやって来た彼>>392に、目を見開く。声と同じように、明るく屈託のない青年だ。真っ先にガートルードに頭を下げる様子を、傍らに見る]いや、問題ない。[その彼の視線が此方に向けば、シェットラントは首を横に振った。手を取ったのはエスコートのつもりだったから、意識にのぼることもなく]それより休める場所があるなら、案内してくれ。ここに居る者の顔も見ておきたい。[気遣いには残念なほど無残に、あっさり応じた]