ー回想・10年前ー
[ー5年程前のことだっただろうか。
遠い国の1つが、我が国の隣国に落とされた。
あの国はさほど好戦的な国家ではなく、また戦争を仕掛けられるような理由もあまりなかったはずなのだ。しかし戦争をした。そして敗れ、国家は消えた。一方的な物だったという。
周囲の者は、関係がないと言いながら、すぐにその出来事は忘れ去った。
しかし私は、あの国のことを一度たりとも忘れたことはない。一方的な侵略を受け、無慈悲にも消え去ったあの国を。]
ー現在・執務室ー
…あんなことは、繰り返させるべきじゃないんだ。
[言い聞かせるように、呟く。*]