―談話室―
[ゲルトには、2つのイヤリングのうち、
彼の瞳の色にも似る、薄青い輝きを持つ石の方を渡したので、
残った薄赤い輝きを、自分が持っていた。
一対の耳飾りを、片方ずつ身に着けるか持ち、
互いの愛情や安全を願う習慣は、古来よりあり。
片方だけの耳飾り――…本来ならば、
女性は「優しさ、守られる人」を意味する、
右耳につけるのが普通だが。
ある決意から、通常は男性の
「勇気と誇り、守る人」を意味する、
左の耳朶につけた。
月色の髪の間に輝く、薄赤い光。
昨日までレジーナの両耳を飾り、その笑顔に輝きを添えていた、
彼女のイヤリングの片方だと、気づく人はいただろうか]