―脱衣所近く?―
いのち短し 恋せよ乙女。
朱き唇 褪せぬ間に。
熱き血潮 冷えぬ間に。
明日の月日は ないものを。
[母が好きな“ゴンドラの唄”。
この歌の歌詞は今の自分に合っている気がして、この歌を歌う事で勇気が沸きそうで。
中庭から出た後、自室へ向かうまでの間に口ずさみながら、ゆっくりと歩いていた。
自室でちゃんと身なりを整えてから、ラフィに自分の気持ちを伝えよう、と思って。いや、思ってた。]
――……っ!?
ラフィ、さんっ!?
[偶然ラフィさんらしき姿が見えてしまって声が上ずってしまう。改めてラフィが好きだ、と認識してしまえば、もう彼の事を意識してしまい、自分の気持ちを上手に伝えるのが難しい。]
あ、あのぅ……もう、大丈夫なんですぅ?
[取り合えず、倒れた人の事を話して時間を掛けながら、少しずつ落ち着きを取り戻そうと。]