― 艇所・喧噪の中で ―
冷たい眼差しで混沌の兵達を一瞥する。そこには侮蔑の色が浮かんでいて。
「ヨソ者が口出してんじゃねぇよ!」
そんな声が浴びせられる。あぁまぁそうだろう。僕は他所者だ。
だが、だったらお前らは何だ。正規の乗艦員だろう。この艦の、乗組員だろう。そんな奴等が易々と我が身可愛さに艦を見捨て、命を惜しみ逃げだそうとする。それまで護られていた事も忘れて。
― 苛々する。戦えよ。早々に諦めて放棄して。それでも軍人か。
叫びたくなるのをぐっと堪え、内心で吐き捨てる。が。
「だいたいテメェがやったんじゃねーのか?!」
という声に。もう嗤うしか、なかった。