――僕が言われたのは少し違う。
[想い人との思い出を語る姿>>428に、気勢を削がれてしまった為、その声は落ち着いたものへと置き換わる。
懐かしさを覚える言葉を聞いてしまえば、その思い出を噛みしめるように反芻する。
が、締めの言葉は次のようなものだった]
教える気はないけどね。
[“あなたが好きになれない人を、私が好きになれると思う? 人を好きだと言えるあなたは素敵だと思うけど、あなたが私を好きなくらい、あなたはあなたを好きになるべきだわ”
――なんて、彼女に振られた際の言葉をどうして彼女の…いや、恋敵の孫に聞かせてやらねばならないのかと。]