― シュビト近隣 ―
「シュビトが戦場になればいい。」
[ 姫巫女が心を痛めている頃>>402に前後して、スルジエの隊長はそう嘯いていた。
混乱が激しくなればなるほど潜入している者の生死の判別は難しくなる。混乱に乗じて、邪魔者を処分するには都合がいい。
自らつけた火に撒かれて死ぬ――それは彼にとって愉快な事だ。
鎮圧軍の主軍、王府から駆けつけた騎士団が動き始めた>>409という報告を斥候から受ければ]
「南方諸国の軍に伝令!!
出るぞ! スルジエの力を今こそ見せる時だ!!」
[ シュビトの治安維持を名目にして、シュビトに手勢百を駆け込ませる。王府軍に沿うように動きながら、実際はシュビトの主要重要拠点を警護の名目で押さえ込む事。
民衆や学徒達の安全ではなく、南方諸軍によって割り振られたシュゼトの重要拠点の確保を目指す。
だがその動きに前後して、遥か親政軍から先行して駆けつけるソマリ・フル・アレイゼル率いる集団>>412が近付いてきている事を知るよりもなかった。*]