― 騎士団本部 ―
[帰還直後のその足で、真っ直ぐ向かうは騎士団本部。
鎧の傷もマントの汚れもそのまま、籠手が外され包帯の巻かれた右の腕。
それらは、撤退戦の状況を何よりも端的に伝え得る]
は。
リエヴル・リンドブルム、只今帰還いたしました。
[名を呼ぶ声に滲む安堵>>427に眉が落ちたのは一瞬。
すぐさま表情を引き締め、居住まい正して正式な礼を取る。
冬が奪っていったものの影は感じられるものの、今はそれに触れるべきではない、と判断して]
前線の状況は、既にお聞き及びかと思われますが……事務手続き上の報告書は、後に提出いたします。
先に、今後の方針をお聞かせいただければ幸い。
[最も知りたい、と思う事を単刀直入に問うのはいつもの事。
儀礼的なものを軽んじるわけではないが、まずは現実の方針を求める性格への評価は賛否両論割れている]