―夜早く、ヨアヒム処刑前―
[投票が終わった。最後に会わなくていいのか?と扉の外から問いかけられれば、もう一度部屋を出て、談話室へ向かう。
先程ナイフを振り上げてた時とは異なる、穏やかな表情。
そして、変わらぬ悲しげな眼差し。
ヨアヒムが談話室からロビーに出てきたところで、目が合う。]
ヨアヒムさん、何で―」
[「あんなことを?」と紡ごうとしたが、リーザに悲しげな微笑みを向けたヨアヒムに言葉が続かなかった。]
「…リーザ、ごめんな。――ありがとな。」
[リーザの頭をくしゃくしゃっと撫でると、ヨアヒムは宿から出ていく。]
[その後ろ姿を見送るときには再び涙を零していたかもしれない。
談話室には入らず、避難部屋に戻った。**]