― 王宮の廊下 ―
はっ、フェリクス殿下!
[振り返ってその姿を確認すると、わたしはその場に慌てて跪いた。
問われた内容には、傍らにいるローレルが先に答えてくれた。>>410
顔の怪我について問われると、わたしは顔を上げて被りをゆるく、一つ振る]
これは、武闘訓練の際に誤って拵えた傷です。
ご心配には及びません。
[毅然と伝えると、改めて名乗った]
わたしは白狼騎士団の尉官、ドロシー・ブライアンです。
このたびはフェリクス殿下宛に、アイリ・フォールデン総督からの親書を預かってまいりました。
どうぞ、お受け取りください。
[そう言って、預かった恭しく差し出す。
ここは廊下だが、この際許していただこう。*]