―ホテル・夜―
[いつまでも制服なのは肩が凝る。夕食前にはTシャツの上にパーカー、ジーパンというラフな格好に着替えた。
流石というか何というか、ホテルの夕食は豪勢だった。
京弁当風の食事に舌鼓を打っていると、ふと高殿妹が目に入る。
左手に何か付いていたようにも見えたが、距離は遠い。
怪我でもしたかとも思ったが、見間違いかも知れない。
それに擦り傷ひとつだろうと、隣の兄がそれはそれは保健委員と言う立場を悪用してまで献身的な手当てをするだろう。
もしかして、それが目的で立候補したんじゃと邪推が過ぎる。]