……ああ、言い忘れていたね。 僕は監査局長のシュナウザーだ。 君が僕の"監査"の対象にならないような、 清廉潔白な士であることを願っているよ。[それだけを言い残すと、今度こそ彼女の前から去っていくのだった。――最後の言葉もまた、嫌味のような言い方だったけれど。それは僕にしては珍しく、偽りのない本心から放った言葉。彼女が有象無象の俗物や、あるいは僕のように、不正に手を染める人間にならなければ良いのだけど、と。]*