―回想・レディ・タイクーン―
[女性の前とか気にせずに、ワインの瓶をラッパ呑み始めた頃だろうか。>>423]
そうそう。リッドちゃんはそんな感じじゃないとな。
ん。領主候補は厳選に厳選を重ねてるよ〜ん。リッドちゃんも含めて、ね?
[招待状を送られて驚いたことには微塵も気付かず。
片目を瞑ってウィンクする。彼女の溢れる野心を領主は気に入っていた。]
へえ、そうなんだ。
と言っても俺は男だからよくわからないけどな。
[亡くなった、とまでは言葉にせず。]
ああ、うん。知ってた。
俺は愛されるよりも愛したい派だからな。それに、契約書のサインとか領主になったらいらないんじゃなーい?
[実際にあるかどうかは、領主は常に仄めかしている。
存在するかしないか、濁したまま。おそらくこの領主はイングリッドとのやり取りも楽しんでいるに違いない。]