ただし。 速度を優先する以上、乗り心地の保証だけはできんので、そこは覚悟してもらいたい。[冗談めかした言葉に黒馬が不満げに鼻を鳴らすのは、完全に流していた。 実際の乗り心地に関しては、言うほど酷いものにならぬように気遣いはしたが、緊張していたローズマリー>>315がそれに気づいたかはこちらからは知れぬ事。 道中耳にした『おまけ』に、男が浮かべた表情にも、気付かれていたかは定かではないが。 彼を良く知る者からすれば、それは非常に『珍しい』と言えるものだった]