― 遊撃隊 ―
怯むな!
陣を崩すんじゃねぇぞ!
[単純な腕という点ではおそらく大差はないが、経験不足やらではこちらが劣る。迫る騎兵に臆さぬよう、弓兵を守るように密集させるが、怪我も厭わず迫る兵士を抑えきれず陣の一部が崩れかけた。]
チッ…全員持ち場離れんなよ!
負傷した奴は中央に引っ込んで弓と変われ!
[声が通るようあまり前へ出ずに声を飛ばしていたが、片刃を手に崩れかけた箇所の前へと飛び出し、最前に居た騎兵を下から切りつけた。
先頭慣れしていない者とは違い、命を奪う事を躊躇しない一撃は、肩を抉るようにして片腕を切り落とす。
そのまま円陣へは戻らずに迫る騎兵を削りにかかると、おそらく一隊を指揮している男の姿を見止めて、ふと口の端が上がった。]