[ 旅人の男を案内した後か、最中だったか。
道中のざわめきに足が止まり、様子を窺う。]
……?
体調不良者か?
[ 誰かがストレッチャーで誰かが運ばれて行くのが見えた>>415。
同時に医務室という単語が耳に入り、僅かに身が震える。]
……大丈夫、なのか?
[ 動揺を隠すことも──いや、それが真の目的なのだが
指揮を取っている女性へ声を掛ける。
過去、僕が船に来た時から副艦長だっただろうか。
何せ下っ端は上の顔を覚える機会が無い。
もし万が一会っていて彼女が覚えていたとしても、
気付かないだろう。
名前程度なら聞いたことはあるかもしれないが。
戦乱の地で、支配階級の人間として君臨する姿を
見ていればきっと覚えていただろうが。
尤も、その時に彼女がその地に居たかどうかすら。]**