[陣形としてかなり機能した。
やはり兵ひとりひとりがシステムを理解していれば戦術も速く正確に機能する。
開いて仕掛けられたトラバサミを模した陣形と伝えるだけで、彼らは自分がそのどのあたりの部分に相当する箇所にあって、どう動けばいいのかそれぞれに理解していた。
専門の軍事訓練を受けていない彼らでも、正規軍に引けをとらない動きのキレを見せ、見事に火蜥蜴の両脇腹に肉薄し槍を突き立てる快挙を成し遂げたのだが――その結果は]
――ぅわ、やったじゃん。
すごいわみんな、こんな大物、軍隊の力無しでド平民のみんなで倒したんだよ!
[直前に金槌が当たったのも功を奏し、大蜥蜴は苦しそうにのたうちまわり、大きく伸び上がってひっくり返るように倒れこんだ。
率いた民たちの中には自警団程度に武器の扱いを学んでいた者もいるが、まったくの素人もいただろう、そんな彼らがこんな危険な大物を一発で仕留めたのだ、歓喜の声は絶えない。
その輪の傍にいただろうか、大槌を投げたイルマの姿を見て取れば近寄って]