[交渉は決裂した。
オクタヴィアスの号令が響き、背を向けると同時に進軍が再開された。
が、矢が届く範囲まで進むと、砦の上から矢が降り注ぎ、それに驚いた馬たちが一部暴走をはじめた。
暴走したまま砦に近づくかと思われたが、それも直ぐに立ち往生することになる。
草が括りつけられていて、はためには気付かなかったが馬の足止めの為の杭が打ち込まれていた]
これか……!
[偵察時にみた影とはこの為の工作兵か、工作中の杭そのものだったのだろう。
馬の臆病な気質も考えると、騎兵の出る幕はなさそうであった。
砦の中の兵をおびき寄せられればいいのだが、砦は弓兵を活かせる絶好のポジション。
彼らがその場所を離れて打って出るのは利点がなさすぎる]