>>395[友の、無い筈の右腕が頬を打つ。――否、己には見えている。触ることもできる。彼の熱き魂、その一部である腕が。破れぬ筈の唇の傷に手の甲を当て、こぼれぬ筈の血を拭う。そうして、彼を真正面に見据え、彼の信に応える。] ……貴様に言われずとも、私は消えはしない。 神が私に剣であり続けよと命ずるなら、私はその使命を全うする。 たとえ、魂無き死者であろうとも。 折れ砕けようとも。 ふたたび刃を打ち直し、剣として在るを望む。