[>>338不意にジェフロイから差し伸べられる手を、不可解なものを見る眼でじっと見詰める奇妙な沈黙。
「友達」なんて単語今迄の自分の人生に余りに無縁すぎて、意味を理解するのに随分の時間を要する事となる。
傍のクレステッドに、酷く困惑した眼差しで助けを求めただろうけれど、きっと見守るだけで自分の望む形の助け舟を出してはくれなかった気がする。
痺れを切らす事無く尚も手を差し伸べてくれていたとしても、その手を終ぞ取る事は無く]
……――全く、…物好きだな、アンタも、先生も。
[ふ、と表情を緩めて唇に小さく笑みを刻む。ジェフロイに笑い掛けたのはきっと初めてだっただろう。
放った侭にしておくのも気の毒で、繋いでいたクレステッドの手をジェフロイに預けた]