− シコン砦・夜 −[淑女としての扱いに目を細めるファミルに返すのは謝罪ではなく、微笑だった。] 誰にでもするわけではない。[照れます、と囁きつつ手を預けたまま、頬を染めるでもなく立ち尽くすファミルはどこか人形めいて、心の鍵をなくしてしまったかに見える。]