……あた、しは。
[ それでも何かを紡ごうと必死に唇は動く
このまま息とともに飲み込んでしまっては
チェンバレン家の名が廃るだろうと
若いながらに必死に 紡いだ答えは ]
あたしは、……あ、いえ、わたくしは。
そんな、道具には、成りません。
[ それは、忠告への反発と捉えられるのか
それとも、「使う側になる」という
意気込みのひとつに捉えられるのか。
それとも、それとも?
相手がどう捉えたのかは知らないけれど
あたしは ── どっちだろうか。
紡がれた言葉は案外、
何も意識せぬ、無の裡から。
ただ反射的に出てきたといっても過言ではない *]