[掻き分ける中、船員たちに逃げるだの、官僚だからだの、言われ男の堪忍袋は切れかけていた。]
「お前たちは俺らを捨てていくんだな!!」
[何処からかそんな声が聞こた。
この言葉が留目となり、男はついに怒鳴った。]
黙っていれば言いたい放題言いやがって!!
私は軍医だぞ?!人の命を救うのが仕事だ!!
お前たちの命を見捨てて軍医を名乗れるか!!
[普段温厚な顔で笑っているのが功をそうしたのか、一瞬しんとなる。]
各自長の指示に従え!!
こんなところで騒いでいたら助かるものも助からん!!
[これで少し黙っただろうか。その隙に更に奥へと進む。]